JR御茶ノ水駅周辺で静かに時間をつぶしたい人 【湯島聖堂 宥坐之器(ゆうざのき)】

金属製の器の写真
この記事は約4分で読めます。

じゃーじゃー流れる…

寅さんの啖呵売(たんかばい)に、

「四谷、赤坂、麹町、ちゃらちゃら流れる御茶ノ水…」

なんてありました。

それだったら、今回は、

「湯島聖堂、宥坐之器、じゃーじゃー流れる御茶ノ水…」

ってな感じ。

これ、知的歴史文化体験工芸装置です(思いついた漢字、全部くっつけてみた)。

駅前にある聖橋(ひじりばし)の目と鼻の先。練壁が段になって見えています。

本当に、すぐそこ。

聖橋から湯島聖堂を望む写真
練塀が見える

ここは、儒家の始祖である孔子を祀った霊廟で、大きな孔子像があります。

寅さんだったら、

「てめぇ、さしずめインテリだな!?」

なんて、言ったとか、言わないとか ^^;

この霊廟、1690年五代将軍綱吉によって湯島の地に移されたそうです。

その後(1797年)、昌平坂学問所(しょうへいざかがくもんじょ)が開設。

日本の学校教育の発祥地とされている場所です。

200年前、学校教育の始まり、ここにあり!

聖門の写真
湯島聖堂の聖門(ここからも入れますよ)

聖橋を渡るとすぐ聖門、そのちょい先に西門がある。

西門の写真
湯島聖堂の西門

西門から大成殿(たいせいでん)へは、ほぼほぼ平坦。

こちらからが入りやすい。

西門にある表示板の写真
案内板
西門から入ってすぐの杏壇門前の写真
大成殿に入る杏壇門の前

敷地に入ると思いのほか静かで、野鳥の声がよく通る。

周囲は、ビルが林立する都会。

それと感じさせない空間で、落葉した木々を飛び回る小鳥が見え隠れしています。

杏壇門脇の合格祈願絵馬の写真
たくさんの絵馬

訪れたのは、二月。

季節柄、びっしりと合格祈願の絵馬、絵馬、絵馬…。

努力の結果が実るとよいですね!

がんばれ、受験生!

杏壇門前から西門を振り返った写真
西門をふり返る

敷地内のあちこちに、大きな木がしっかり生えていています。

流れてきた時間の長さを感じます。

杏壇門からのぞき見える大成殿の写真
杏壇門の向こうに大成殿が見えます

さっそく、大成殿の中庭へ。この日は、人影も少なめ。

中庭から見た大成殿の写真
大成殿(孔子廟)

この建築物、厳かな空気の中に、古代の中国を感じさせる。

子どもの頃に観たカンフー映画を思い出す…。

・・・・・・・・・・・

建物の影から、悪漢に追われた娘が走ってくる。

隅で寝ているヨボッちぃ爺さんが、実は達人。

悪漢を手玉に取って追い払い、大きな瓢箪から酒をグビリ…グビリ…と口に含むと、また居眠りに戻る…

・・・・・・・・・・・

という脳内映像が再生されたとか、されなかったとか!?

杏壇門の脇にある宥座の器
杏壇門の脇にある宥坐之器

宥坐之器(ゆうざのき)

宥坐之器とは、すぐ傍らにおいて自身の戒めとする器のことで、6500年前に中国の古代人がつくったものが原型だとか。

けっこう、昔です。

「虚なればすなわち傾き、中なればすなわち正しく、満つればすなわち覆る」

ノッポさんの帽子を逆さにしたような、煮炊きに使う鍋のような、この器。

これが〈中庸の徳〉を教える器です。

宥座之器の全景写真
空の金属製の器がやや傾いている写真

空だと、器が少し傾いています。

水を注ぎ始めた写真

ここに、ちゃらちゃら流れる御茶ノ水を入れていくと

水が入り垂直に立ってきた器の写真

心なしか、まっすぐ立ってきたような…

立ってきた器の写真

しっかり入ると、ずしっと収まった感がでる。

更に水を注ぐ写真

もう少し…入れてみましょう、御茶ノ水。

八分目まで水の入った器の写真

グビリ、グビリと飲ませるように…

それは、突然やってきて

突然傾いて水がこぼれ出す器の写真

じゃーじゃー流れる御茶ノ水…

こぼれきった器の写真

こぼれ切って…

空になった器の写真

まったく、なし!

この器、作るときの調整が難しそう^^;

佇む宥坐之器の写真

これを見ていたら、お酒の呑み方にも通ずるような気がしてきました。

呑まないと、何かが足りず、飲みたい気持ちに傾きます。

飲み進めると、調子がよくなって、いい気分でクイクイいっちゃう。

気持ちがほどよく満たされて…。

この辺で、やめとけば良いのですが…

ニンゲン、そうも行きません。

最後、飲みすぎると、

全部出ちゃう…^^;

6500年前も、そんな感じだったんですかね〜^^;

ほどよく嗜むのがよろしいようで。

訪問日:2025年2月

タイトルとURLをコピーしました