日本アニメーション創業50周年の記念として、『宇宙船サジタリウス』の無料動画が公開されています。
YouTubeチャンネル「日本アニメーション・シアター」で、毎週金曜日の20時に3話ずつの配信。
配信期間は、2025年9月19日から、2026年3月27日までとのこと。
あまりに懐かしいので、ちょっと綴りたくなりました。
そもそも、どんな話なのかというと…
簡単にいうと、涙と笑いのSFコメディ人情アニメ。
中小企業に勤める動物キャラのおじさん達が、安月給を嘆きつつ、家族のために仕事に精を出す。
トイレ作りと思いきや、危ない星で騒動に巻き込まれて逃げ出しそうになったり、歌ったり踊ったり、ちょっと照れくさいことも言ったりしながら、忘れちゃいけない思いがキラリと光る。
あれを、あのまま人間キャラでやったとしたら、随分とクサイ三文芝居になってしまうんじゃないでしょうか。
あの動物キャラだと、不思議と見れるんですよね^^。
公式チャンネル:日本アニメーション・シアター(YouTube公式)© Nippon Animation
第20話「肉がなくてもラザニアは最高の味」開始タイムスタンプ24:57(1497秒)から再生。配信状況は変更になる可能性があります。
私とサジタリウスとのファーストコンタクト…
あれは、忘れもしない39年前の3月…
いや、4月だったかな…?
「歌の面白いアニメがある」
という話を聞いてきた妹が、そそくさとテレビのスイッチを入れました。
ちょうど金曜、午後七時半。あのメロディとともに、あの歌詞が…
♪「どこから見てもスーパーマンじゃない
スペースオペラの主役になれない
危機一髪も救えない
ご期待通りに現われない」
いきなりの無いないづくしのシャワーを浴びて、テレビの前でしばしフリーズ状態に…
♪「ためいきつく程イキじゃない
拍手をするほど働かない
子供の夢にも出て来ない
大人が懐かしがることもない」
ここで間奏、ジャン、ジャン、ジャ〜ン…
一緒に見ていた妹が、静かに「だめじゃん…」とつぶやいて。私もうなずいた、次の瞬間…
♪「だからといって 駄目じゃない…」
予想していなかったこの言葉、雷に打たれたような衝撃を受けました。
「そうか!そういうことか!」
テレビの前、フリーズしたままの脳内で「そうか!そういうことか!」の渦がぐるぐると回っていたのです。
・・・・・・・・・・・・
ちょうど、高校受験を終えた時期。
数字だけで容赦なく線引されて、人生振り分けられた、そんな感慨を持たざるを得なかった時期。
他人のことをダメと決めつけていたかったのかも…
どこかで自分のことも、ダメと決めつけていたのかも…
・・・・・・・・・・・・
兎にも角にも「そういうことか!」という衝撃は、
その後、私という人間の土台の一部を形成することとなりました。ジャ〜ン♪
私が幸運だったのは、このサジタリウスを同じ熱量で語り合える友達と高校で出会えたことでしょうか。
*引用:『スターダスト ボーイズ』(作詞:阿久 悠)より抜粋
サジタリウスはオムニバス形式
サジタリウスのお話は、数話ずつのオムニバス形式で進みます。例えば、
第1〜13話:ムー大陸の謎編
第14〜19話:スイード編
第20〜26話:ザザー星編
といった具合で、全77話が、18編ほどのお話に分かれています。
せっかく、無料で公開されているのですから、多くの人に見てほしい!^^
そこで、サジタリウスをちょっと覗いてみたいけど、どこから見ればよいのか分からないという方に、私のオススメを紹介したいと思います。
おすすめの話は「ザザー星編」
私のおすすめは、何と言っても「ザザー星編」です!
ネタバレしない程度に、お話のサワリ部分を紹介しまっス!
第20話「肉がなくてもラザニアは最高の味」
勤めていた中小企業「宇宙便利舎」が倒産し、失業したトッピーとラナ。久しぶりに食べる好物のラザニアも、ラナにとっては、生活の不安から味気ないものに。家族のため工場での仕事につくか、不安定でもパイロットとして再び宇宙に出るか。家族への思いと、家族からの思いがこんがらがって、ハチャメチャしている時に、肉なしラザニアが出され…
第21話:「子供を返せ!恋人に逢いたい」
トイレを作る仕事のつもりが、戦争状態のザザー星に降り立つトッピー、ラナ、ジラフ、シビップの4人。そこには、捕虜として連れ去られた男達を恋しく思う家族や恋人がいた。残された人たちにとって、夢の中で家族と再会することがただ一つの楽しみ。そんな村人を見て、トッピー達は…
第22話:「えっ!ルルとジラフは傘マーク」
仕事もできて魅力も抜群のアン教授。婚約者ジラフのことが心配で気にかけるけれど、ジラフにとっては甲斐性なしの自分を思い知らされる日々。遠いザザー星で魅力的な女性ルルに頼られ、ジラフはホの字になってしまう。でも、ルルの本心を知ったジラフは、危険な夜の道を森へと引き返す。どうしてもしなくてはならないあることのために…
第23話:「美女になったラナ子さん」
絵の勉強のためにグラン星に留学していたピカソンが、5年ぶりに村に帰ってきた。留学後に戦争状態になったザザー星で、村長だった父が殺されたことを知り、美女ラナ子さんの引き止めも聞かず、レーザーガンを使って復讐しようと怒りに燃えるピカソン。一人で殴り込みをかける朝、ピカソンが手にしたものは…
第24話:「死んだフリして死んだラナ!?」
地球に七人の子供と妻を残してきた40代のラナ。戦争を肌で感じるにつけ、家族を思う心が膨らみ続ける。夜の嵐で一人吹き飛ばされたラナは一命を取りとめるも、トッピー達と離れ離れに。そこで、ラナは自分が死んだことにして保険金を手に入れるアイデアを思いつく。トッピー達が敵の偵察機に見つかって窮地に立たされたその時、死んだはずのラナは…
第25話:「銃声に消えた幻のトランペット」
敵の基地に近づいたある日。基地から逃げてきたピンタと出会い、その内部情報から勝機を見出したトッピー達は、レジスタンスに連絡を取り総攻撃を計画する。束の間の休息。シビップの琵琶に合わせ、楽しくセッションをして心を通わせたピンタだったが、彼にはある秘密があった…
第26話:「最終兵器に勝った武器」
トッピー達は敵に捕まってしまい、総攻撃の計画が風前の灯火に。処刑を待つトッピー達に、危険を冒してピンタが届けたシビップの琵琶…。そして、総攻撃のために駆けつけるレジスタンスの運命は…
心を動かしてくれるものって大切だ…
私事ですが、ここ2ヶ月ほどは、ブログも何も手につかない日々を過ごしていました。
夏の終わりに母が急逝したためです。
家のこと、仕事のこと。とにかく目の前のことを一つ一つこなしていく、じっと耐えていく日々のみ…。
そんな中でも、懐かしいサジタリウスの動画が見られ、家族とサジタリウスについて語り合い…
そうしているうちに、サジタリウスのことならブログに書いてみたいなぁ…という気持ちが生まれている事に我ながら少しの驚きを感じました。
39年前、母の作った夕食を食べながら、感じ入りながら見たサジタリウス。
そのサジタリウスに、もう一度、グイッと引っ張ってもらえた気がします。
2025年11月
※本記事中の歌詞は、著作権法第32条に基づき引用の範囲内で掲載しています。権利はすべて作詞者および権利者に帰属します。
