「水が突然こぼれる器」を湯島聖堂に見に行きます
駅前にある聖橋(ひじりばし)から、すぐそこ。湯島聖堂の練壁が段になって見えています。

湯島聖堂は、儒家の始祖である孔子を祀った霊廟で、大きな孔子像があります。1690年、五代将軍綱吉によって湯島の地に移されました。
その後、昌平坂学問所が開設(1797年)され、日本の学校教育の発祥地とされています。

橋を渡ると聖門が、そのちょっと先に西門があります。

西門から大成殿(たいせいでん)へは、ほぼほぼ平坦ですから、こちらから入ることに。


野鳥の声が聞こえ、落葉した木々を小鳥が飛び回っているのに気づかされます。

受験生が納めたたくさんの合格絵馬。がんばれ、受験生!

敷地内のあちこちに、大きな木が生えています。

さっそく、大成殿の中庭へ

厳かな空気の中に、古代の中国を感じさせる建物。その昔、心躍らせたカンフー映画の一場面、そんな懐かしさを感じます。

あっ、ありました。
宥坐之器(ゆうざのき)
宥坐之器とは、すぐ傍らにおいて自分自身の戒めとする器のことで、6500年前に中国の古代人がつくったものが原型だとか。
「虚なればすなわち傾き、中なればすなわち正しく、満つればすなわち覆る」
中庸の徳を教える器です。


何も入っていないときは、器が少し傾いています。

ちょろちょろ水を入れていくと

器がまっすぐに立ってきました。

こんな感じ。ずしっと収まったような、安定感があるような。

もう少し入れてみましょう。

だんだん大胆に…

突然、器がひっくり返って

こぼれ切って

結局、元通り。

湯島聖堂で、中庸の徳を体感しませんか。